今回は北海道士別市の「株式会社　志BETSホールディングス」さんにお邪魔しています。こちらの建物では、市内を流れる天塩川の水と地元産の小麦やハトムギを使用した、唯一無二のクラフトビールを醸造されています。 

本日はよろしくお願いします！早速ですが、クラフトビール醸造をはじめられたきっかけを教えてください。

私たち「志BETSホールディングス」は「士別を盛り上げたい！」という志(こころざし)を持った士別エリアの企業が集まって設立しました。地域のために何ができるかを考えていた時に、士別市の美味しい水と農産物を使ったクラフトビールを造ることを思いつきました。

創設メンバーがみんなお酒好きだったこともあり、張り切って事業がスタートしたのですが、醸造の知識やノウハウは持ち合わせていませんでした。悩みながら道内外の醸造施設を巡っていたところ、隣町の美深町でブルワーをされていた風間さんとご縁がありました。

風間さんはどのような想いで参加されたのでしょうか。

一から醸造所を立ち上げるのは初めての経験でしたが、美深町のブルワリーで経験があったので、不安な気持ちはありませんでした。むしろ道北エリアにクラフトビールを普及できるチャンスではないかと考えていました。

風間さんのセンスを思う存分発揮してもらいたくて、使用する材料や配合はすべて風間さんにお任せしています。初めて出来上がったクラフトビールを飲んだ時の衝撃と感動は今でも忘れられません。

クラフトビール醸造をはじめるにあたり、印象深いエピソードはありますか？

かつて農業用の倉庫として使われていた築100年近い石蔵を改装し、醸造所として利用しているのですが、冬は醸造所内がとにかく寒くて(笑)。急いで暖房を用意してもらいました。

あのような環境でビールを作れるのは風間さんだけだね(笑)。

ラベルのデザインも素敵ですよね。

北海道内には「しべつ」と読む市町村が２つあるため、区別しやすいように、士別市は『士』をとって『サムライ士別』と呼ばれています。士別で作ったビールであることがわかるように、醸造所を「士別サムライブルワリー」と名付け、ラベルにも侍を登場させています。

士別サムライブルワリーのコンセプトはいくつかありますが、「普段あまりビールを飲まない女性でも楽しめるビール」であることを大切にしています。女性も手を取りやすいような色合いやデザインを意識しました。

各フレーバーの特徴を教えてください。

「雅（みやび）」は、一番人気のフレーバーで士別サムライブルワリーを象徴する一本です。フルーティーな風味と柔らかい苦みを感じられるフレーバーなので、迷ったらまずはこれを飲んでいただきたいですね。

フルーティーさを際立たせるために、南国のフルーツを思わせるような香りを持つホップを使用しています。ステーキにフルーツソースをかけるようなイメージで、肉料理と合わせるのがおすすめです。

3種のうち、最もビールらしい風味を楽しめるのが「煌（こう）」です。苦みとコクのバランスがちょうど良く、何杯でも飲めてしまうくらい滑らかな口当たりが特徴です。

万人受けするような味わいを目指したフレーバーなので、どんな料理とも相性が良いですよ。

「寵（ちょう）」は、白ワインのような香りが特徴的なフレーバーです。ビールが苦手な方でも飲みやすいと好評です。

ホップの一種であるニュージーランド産の「ネルソンソーヴィン」を加えることで華やかな香りが生まれるんです。白ワインのような爽やかさが、魚料理と相性抜群ですよ。

色々な食事と合わせながら、自分好みのフレーバーを見つけ出していくのも楽しいですね！

「志BETSホールディングス」さんでは、ビール事業のほかにも、日本プロ野球独立リーグ「北海道フロンティアリーグ」（以下、「HFL」）に所属する「KAMIKAWA・士別サムライブレイズ」の球団運営も行なわれていますよね。

当社は「士別を盛り上げたい」という想いで様々な事業に取り組んでおり、球団運営もそのひとつです。所属選手たちは士別市に住み、士別市で働きながら日々練習に励んでいます。選手たちの夢も地域活性化も全力でサポートしています。

2024年7月には、北海道電力さんとHFLが地方創生に関する連携協定を締結しました。2024年8月に実施した「ほくでん×HFL共創パートナー記念DAY」もとても好評でしたので、これからも一緒に北海道を盛り上げていけたらと思います。

素敵なお話をありがとうございました！