
今回は、札幌市から約160km離れた島牧村にある「株式会社 勝丸」さんを訪ねています。取材は、ちょうど漁から戻った船を迎えるタイミングからスタートしました。
島牧村とエビ漁についてたっぷり伺っていきます。

<今回お話を伺った人>

株式会社 勝丸 黒澤 希望さん
広報・受発注・経理などの事務業務に加え、フォークリフトの運転もこなす行動派。
家業である漁業を家族とともに支える、株式会社 勝丸、浜野社長の長女。
<きらめくストア スタッフ>

サオリ
道央エリア担当の新メンバー。子どもの頃から無類の海鮮好き。
美味しいものとの出会いをいつも楽しみにしています。
道央の知られざる魅力を日々探索中。

先程は大きくてすばらしい船と荷揚げの様子を実際にお見せいただき、ありがとうございます。勝丸さんのご紹介をさせていただきたく、本日は色々とお聞きしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
早速ですが、船のお名前が「勝丸」と書かれていましたね!

そうです。祖父の代からずっと「勝丸」ですね。周りの皆さんも縁起の良い名から取ったり、名前から一字取ったりだと思いますが・・・「勝丸」はおそらく祖父の名前の一字から付けたと思います。詳しいことは社長である父に聞かないとはっきりしないのですが、諸説あるようです。

お父様のお話が出ましたが、勝丸さんはご家族で経営されているのでしょうか?ご家族の仲がとても良さそうですね!

はい、社長である父と母、私と二人の弟。それから下の弟のお嫁さんと従業員が2名です。うちは幸い、後継ぎが居て家族で経営できていますが、周りのエビ漁をされる方々は減り、今、島牧村ではうちを含め3隻しかいないんですよ。

想像以上に大きな船で驚きましたが、漁は本当に大変そうでした。漁において大切にしていることやまた、大変な事を教えてください。

大切にしていることはとにかく日々のメンテナンスです。道具や船もそうですが人のメンテナンスも重要です。たった一人でも休むと大変なんです。沖にいる時間がとても長くて、夜中から9~10時間程になる事もよくあります。体力勝負です。

そんなに長時間、船上にいるんですね!今日の荷揚げではエビ籠は見えず、全て整然と整理された状態で陸に上がってきていましたね?


そうです。籠は常時1,000個、海のなかに仕掛けてあります。それを船に上げ、籠の中からエビ等を取り出し、またエビの餌であるスケソウダラを籠に仕込み、再び海に仕掛けます。その間も選別を行いつつ、船底で別の箱にエビ等を移し替え、水槽に箱を入れる作業もしています。

1,000個ですか?!エビ何㎏分になるのでしょうか?私はてっきり、エビ籠ごとそのまま引き上げてくるのだと思っていましたが、実際には船上で仕分けがすでに始まっていたんいたんですね。



多い時で300㎏分くらいですかね。籠とつながっているロープは3㎞にもなります。そのエビ等を水深300m前後の深海から引き揚げています。なので人手がとにかく足りないんです。エサのスケソウダラはエビ漁が禁漁期の冬に漁をして冷凍しておき、夏場に使用しています。

冬場の漁もすべてはエビ漁の為だったんですね!!そのエビを次は陸で皆さんで仕分けされていましたが、本当に速く、カメラで追うのが大変でした。

そうですね、出荷時間がお昼頃なんです。特に空輸の飛行機に間に合わせなくてはならないので船の戻りが遅い日ほど、空輸の時間に間に合わせるため作業が立て込みます。




そんな大変な漁を日々営まれている勝丸さんですが、今後の活動予定などを教えてください。

今、SNSを中心に個人のお客さまから注文をいただくように活動中ですが、勝丸の海の幸をもっと多くの方に知っていただくようイベント出店等ももっと頑張っていきたいと思っています。



私と勝丸さんとの出会いも札幌の秋の一大イベントである「さっぽろオータムフェスト」の会場でしたね。最後にきらめくストアのお客さまに向けて一言お願いいたします。

私たちは普段、市場向けに出荷することがほとんどでして、お店を構えているわけでもありません。一般のお客さまに直接お求めいただく機会がなかなかないのできらめくストアで北海道だけでなく、全国の皆さまにも「勝丸」の海の恵みを知っていただけたら嬉しいです。


私も島牧村の勝丸さんの海の幸の美味しさをもっと皆さんに知っていただきたいです。本日はありがとうございました。